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離婚倶楽部

漫画アクション
1974年10月31日号〜1975年8月7日号

 

銀座六丁目の
ルーベンスの小品を何気なく片隅に展示してある洒落た小さな画廊の角を曲り
路地のつきあたりを左へ折れたところに
あたしのお店がある

 
 

此処は以前 玉つき場だったんですよ
そしてあたしは このビリヤード屋のひとり娘だったんです                          
今は銀座で泣いてます

 
 

ママもあたしも この店の女はみんな離婚歴があるの                            
ひとり占めしようとするとすぐ逃げていってしまう
愛だって 結婚だって

だから結婚と離婚のあいだをさまよっている今がいちばん落ち着くの

 
 

「しばらく...」
「酔ってるのね...」                                          
「もう関係ないんだろ 俺達...」
「逢うときはいつも他人...」
「く...」

 
 

あれでも懲りずに
サッちゃんの次の恋人はやっぱり小説家よ

 
 

「酔ったわ... 閉店15分前になると きまって酔いがまわってくるの」
「俺だって うしろのピアノを見ただけで悪酔いするぜ」
「むかしはそんなことを言うあなたじゃなかった...」
「昔はむかし 今は今...」
「二度と戻れないわね あたし達...」
「夕子...」
「............」

 
 

あの頃の感触に ほんの少し 懐かしさが走った                               
「ちくしょう.....死んでやる......」

 
 

だれもとめようとはしなかった......
だれもがみんな一度は試みたことだった
別れと死を交換することを
だれもが願ったときもある

 
 

白いピアノに血痰が吐かれていた                                    
いいのよ わかっているのよ!
別れてから二年 あなたもあたしもどんなに苦しんだことかは
こんな忘れものをしなくたって                                     
わかっているのよ!

 
 

健ちゃん
どっかへ飲みに行こうよ

 
 

「俺......はじめてだよ」
「何が?」
「ママの店に来て二年になるけど ママと差しで飲みに行くなんてさ」
「何なら口説いてもいいのよ 今夜なら.....」
「代用品はまっぴらです」                                       
「何を捨てたんですか?」
「むかし よ......あたしのちっちゃな むかしよ」
「へえ!むかしってやけに光るものなんだな」

 
 

二十歳の春にピアニストと挙式
二十三歳の秋に離別ー
それから二度目の
夕子二十五歳の秋であった

 
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