TOP PROFILE/プロフィール works STORE LINK MESSAGE

夢師アリス

ヤングコミック
1974年5月8日号〜12月11日号
原作:岡崎英生

 

「それでは・・・我が衣笠家の崩壊のために乾杯しよう・・・」

 
 

子供たちがまだ幼かった頃は まだそこに家族というものがあった
お互いに信頼というものがあったし 愛情というものがあった
しかし、いまはそうではない。あの家には何もない。
バラバラな四つの心を抱いたバラバラな四人の人間がただ一緒にいるというだけのことなのだ・・・

 
 

「畜生!俺はおとうさんを憎むよ!」
「いいさ・・・おまえはその憎しみを力にまた生きられる・・・」

「いいじゃん もうあたしたちどうせバラバラになるんだもの・・・」

 
 

かくして 我が家の最後の晩餐は、期待にたがわぬ荒れ模様のうちにその夜遅く果てました・・・

 
 

ああ 失われた時間 失われた記憶・・・それも今は痛みに変わり、握りしめた手と手に通いあうかのようです
他人であることのたった一つの証しとして・・・

 
 

アレフ!

 
 

「さて、それでは行こうか」
「こうしてると何だか家族旅行にでも出かけるみたいね!」

 
 

「あら、みなさんおそろいでどこへお出かけになるおつもり?こんな砂嵐の中を・・・」
「き 君は誰だ?」
「さあ・・・?ふふ・・・」

 
 

「ここは東京じゃないのか!?」

 
 

「東京?ああ 20世紀の終わり頃までにそんな町が北半球に存在していたということは聞いているわ」

「なんてことだ 私達は・・・私達は家族を打ち壊して たった今 この家を出て行こうとしていたというのに!」
「カゾク? それどこの方言?」

 
 

夢使いのアリスによって 未来に幽閉された私達一家は 再び衣笠家の一員として秘やかな
憎悪に満ちた希望のない生活を開始しなければならなくなりました。
一度あれほどまでに自分の気持ちを追いつめてしまった私達にとって 家族という名の
共同生活は 一種の刑罰にほかなりません。
ああ あの「最後の晩餐」は いったい夢だったというのでしょうか?
それとも今が夢なのか?
・・・いつ壊れるかわからず しかし決して壊すことのできない私達の家族!
けれども今 私は「これでやっと普通の家族にもどたのかもしれない・・・」
とも思うのです・・・

 
 

「アンドロメダ星雲まで1枚・・・」

 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 上村一夫 公式ツイッター
  • 上村一夫 公式Facebook
本サイトで使用している画像等を、当社の許可なしに、ホームページ上で
掲載したり、著作権者の承諾なしに複製等をすることは出来ません
©上村一夫オフィス