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螢子

中央公論社

原作:久世 光彦
愛蔵版
'96年10月25日発行

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この作品のレビュー (1)

上村作品に登場する女性の中で私が一番好きな螢子。
ゾッとするほど妖しい美しさ。
以下、久世氏のあとがきより。「私は<螢子>に、ほんの少し腐りかけた桃の実の匂いを嗅ぐ。空っぽの冷蔵庫の奥に、桃が一つだけ入っていて、扉を開けるとうっすらと籠った酸の匂いに交じって、熟れすぎた桃の甘い匂いがする。これが螢子の胸の匂いである。男はどうしてやがて死んでいく桃の匂いが好きなのだろう。(中略)上村が<螢子>で描いたのは、螢子の目でもなく、薄い唇でもなく、迷う指でもなく、哀しく引き裂かれた傷口でもなくー螢子の匂いだった。>
なるほど。
しかしどうしてこうも女の匂いを描けるのか...
全50章はすべて昭和の叙情歌のタイトルである。
知らない曲も多いが、思わず聴いてみたくなる詩のような作品だ。

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